鍼灸と整体は何が違うのか?/六本木整体GEN流院

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鍼灸とは仕事が全く違います

 しばしば頂くご質問の中で、整体と鍼灸はどちらが効果的か?というものがあります。鍼灸と整体は明確に仕事の内容が違いますので、こちらのページで取り上げてみました。

鍼灸は中国の伝統?

 名前の通り、針や灸(もぐさ含む)を使って刺激を生体に加え、身体の気の流れを良くし、体の不調を改善させるのが鍼灸です。経絡(けいらく)と呼ばれる、いわゆるツボという部分を重要視して治療を行います。この考え方の起源は、中医学が基になっていますが、自然治癒力を重要視する観点は整体やカイロプラクティックと同じです。東洋医学を主としながらも、現代西洋医学の知識も兼ね備えています。
 針を態々体に刺されるのは、初めての人には勇気がいることですが、痛みは殆どありません(場所や深さによる)。刺す理由についてですが、医学的には内臓ー皮膚反射といって、内臓と体表の皮膚の神経支配は、特定の臓器と繋がりがあります。これを応用し、針で皮膚及び皮下に刺激を加えることで、内臓の働きが反射的にリセットさせる現象が起こります。この効果については、学術的に論文が沢山ありますので、興味のある方は調べてみると良いでしょう。一例を挙げますと、逆子を針刺激で回転させることができるのは、私も興味深い現象だと思っています(子宮に刺すのではなく、子宮領域の神経と足へ行く知覚神経が根元で繋がっているためここを刺激する)。
 他にも、筋肉の周囲を覆う「筋膜」に針が到達した瞬間に、筋膜が緩む習性があり、昨今、にわかに流行っている「筋膜リリース」というマッサージの一種は、伝統的に鍼灸師が昔から針で達成してきたものです。

鍼灸と整体の差

 整体は経絡を使用する人もおりますが、それを中心にして施術を確立している人は、鍼灸師で整体をやられている人意外には稀です。このことから、経絡の概念はかなりの部分で差があります。脈診や腹診、舌診なども整体では行いませんが、私は体内で起こる収縮と膨張の大きさを体に触れて普段から調べています。これが、脈診だと言われれば、それはもしかしたら鍼灸でいうそれなのかも知れません。
 我々整体は、体が一定の健康状態に保てるようにする生体恒常性=ホメオスタシス機能を整えるのが仕事です。よって、気の流れや経絡の観点はありません。そして、針や灸は使いません。大枠として、鍼灸は内部の流れを整えることでホメオスタシス機能を高めますが、整体やカイロプラクティックでは、内臓や骨格の歪曲を正すことでホメオスタシス機能を高めます。
 当方の持つ特許では、このホメオスタシス機能が乱れている部位を見つけるものです。鍼灸の治療によっても改善がみられますので、相性はかなり良いです。

どちらが良いのか?

 先生の技量が全ての選択基準になりますが、一般的に鍼灸は下記の部分が資格者特権となっています。

 

厚生労働省基準

・保険を使えるとき
主として神経痛、リウマチ、頸(けい)腕(わん)症候群、五十肩、腰痛症及び頸(けい)椎(つい)捻挫後遺症等の慢性的な疼痛を主症とする疾患の治療を受けたときに保険の対象となります。

 

・治療をうけるときの注意
治療を受けるにあたって、保険が使えるのは、あらかじめ医師の発行した同意書又は診断書が必要です。詳しくは、はり・きゅう施術所などにお尋ねください。保険医療機関(病院、診療所など)で同じ対象疾患の治療を受けている間は、はり・きゅう施術を受けても保険の対象にはなりませんので、ご注意ください。

 

厚労省のこちらのサイトより抜粋

 整骨院が急性の怪我に対して、どちらかというと鍼灸は慢性的な方向性です。最終的に達成する目標は、我々の整体やカイロプラクティックと近いところがありますが、体に加える刺激の種類は明確に違うといえます。
 人間は反射の動物といわれる程、全ての刺激に対して応答性を持っています。もしかしら、鍼灸にしか達成できない反射があるのかも知れません(逆子を治す様に)。