整骨と整体は何が違うのか?/六本木整体GEN流院

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整骨院と整体院の違い

 「整骨院」と「整体院」何しろ名前が似ているものですから、普段特に接点のない方にとっては紛らわしいものです。しかもこれに加えて、病院の診療科目には「整形外科(通称:整形)」があります。過去にお世話になっていた事がある方においては、違いなんて常識的なものですが、これが意外に知られておりません
 ここでは、整骨と整体の違いをご紹介してゆきます。

整骨院は柔道?

 「整骨=ほねつぎ」は、武道の「柔道」によって、脱臼やその他の怪我をする頻度が多く、それらを治すために、培ってきた技術を治療に応用した日本独自の国家資格です。
 柔道は団体として強固な力を持っていた過去があり、間接的に政治的な力もあったと思われます。このため、資格の名称は「柔道整復師(通称:柔整)」と呼びます。大枠では外傷の治療を担う仕事に就く資格であり、整骨院では保険の適用があります。

整体との大きな違い

 整体やカイロプラクティックの違いは明確です。整骨の柔道整復師は、患部を治す「治療家」です。では整体やカイロプラクティックは何をするのでしょうか?と思われますが、そもそも何もが治さないのです。我々の整体は、患部を不健康の中心として施術を行うのではなく、体が本能的に回復する力(生体恒常性=ホメオスタシス)(以下ホメオスタシスと呼ぶ)を整えるのが仕事です。
 例を挙げますと、肩が痛いとします。整骨院では医学的な観点から状態を察し、患部及び患部周辺に電気などを当てたりします。患部に直接的にアプローチすることから、つまりは症状がある部位の治療を行うわけです。
 一方で、我々の整体やカイロプラクティックは、患部に対して直接的にアプローチを行いません。それで治るのか?と聞かれそうですが、肩が痛いという人の体が、骨盤の歪みが原因でホメオスタシスが乱れているとしたら、この骨盤に対してアプローチを行います。症状が肩なのに、骨盤だけで翌日以降に痛みが徐々に軽減して行く「経過」こそが主役。よって、患部の治癒に直接介入する治療ではありませんので、治療家ではありません。どちらかというと、ホメオスタシスを調整する専門家とも言えます。(更に詳しくはこちらのサイトで)。
 ホメオスタシスについては他のページで詳しく述べていますが、私が取得した特許装置がこのホメオスタシスの乱れた部位を探す装置です。病気になる前に出る異常を分析できます。

どちらを選ぶべきか?

 極論ですが、どんなアプローチ方法であったとしても、先生の技術次第という部分はあります。当院でも整骨院へ通われていた方が多数おりますが、電気を当てる一辺倒で何にも変わらないというご意見もあります。また一方で、整体によって外力を加えられたことで、逆に傷めてしまったという方もおられます。この辺は、技量の問題と言わざるを得ませんが、国家資格がない分、整体は最低限レベルにばらつきがあるのも事実です。
 当方はカイロプラクティックの養成機関を2つ修了しており、当時の同期でも柔道整復師、鍼灸師は複数人おりました。国家資格を持っていてもいなくても、勉強熱心な先生は、何が最も患者さんに対して最良なのか、見分ける能力に優れています。しかしながら、外傷性の怪我に関しては、整骨院の方が得意とも言えるでしょう。中には、患部に対して直接的にアプローチして欲しいという方もおりますので、最後はご自身の思想の問題かと思います。
 しかし、「毎日常連の患者さんが朝から並んでいる」という整骨院に関しては、国家資格の概念からして「?」と思うところはあります。昨今、健康保険の支出額が増える中、社会全体としてこの点については問題意識が必要です。下記は、国家資格とされている柔道整復師法の業務の枠組みと、厚労省サイトからの抜粋です。

柔道整復師法

第四章 業務
(業務の禁止)
第十五条 医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。(外科手術、薬品投与等の禁止)
第十六条 柔道整復師は、外科手術を行ない、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならない。(施術の制限)
第十七条 柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼きゆう又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。

 

厚生労働省サイトより抜粋
整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を受けた場合に保険の対象になります。なお、骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。

 この様に、整骨=柔道整復師は国家資格ではありますが、本来は腰痛や肩こりなどについては、厚生労働省においても、保険の指定はありません。何か、保険が使えるからその道のプロだと思われがちですが、上記の定義にはその様には書かれていません。
 私の場合、怪我などの急性期における場合には、単刀直入に「整骨院で治るようでしたら保険で安いしお得なのでは?」とお伝えしておりますが、前述したように、アプローチのしかたが全く違うものです。整骨にも行きつつ整体に通われているかたもおりますし、二者択一の話ではありません。治れば結果それで良いのです。

ささやかな反論

 某柔道整復師会のサイトを覗きますと、整体やカイロプラクティックは民間療法の位置づけで国家資格がないという記述がありました。全くその通りではあります。しかしながら、特にアメリカではカイロプラクティックは日本の医師と同等のドクター称号が与えられており、先進国で公的にライセンスを認めていないのは日本だけです(日本が先進国ではない説を除く)。それと比べ、柔道整復師には日本の伝統的な要素はるにせよ、世界ではそれらの資格がありません。日本国内で使用できる保険というものは、上記で述べた様に、患部に直接的に対処療法を行ったかどうかです。
 米医師会とカイロプラクティックは、最高裁で決着を付けた事がありましたが、最終的にはカイロプラクティック側が勝訴した案件です。ここでも職域が明確に別けられています。医師は病気を治す仕事であって、カイロプラクターは病気になる前の「健康ではない状態」を扱うということで、何ら医師の職域を侵していないということです。米医師会の条文にも明記されていますが、当院の整体もこれに準じて「健康から逸脱したホメオスタシス機能が乱れた部位を探し、これを正す。」という事が大前提の施術です(科学的かどうかについてはこちらのページをご参照ください)。